ストーリースケッチ : hirayama kouichi

ストーリースケッチ

大好きな方の通夜と告別式に参列してきた。娘様の結婚式で絵を描いたご縁から、沢山の絵達をご自身の所にも連れていっていただいた。ときには、お酒も飲みに行ったり、家族の乾杯の席に招いてもらったり、誕生日には素敵な贈り物を毎年贈ってくれた。僕も勝手に母の日には、贈り物を送りつけていた。

このストーリースケッチは、ずっと抱えていたご病気が悪化し娘様が「何か欲しいものはある？」と病室でたずねたとき「家族の絵」を僕に描いて欲しいと言ってくださったことから、描き上げさせてもらった絵だ。

依頼を受けたとき「この絵は、棺に入れて空まで持っていきたいから、絵描きさんに最後に燃やしてしまう絵の依頼をするなんて、、ワガママなうえ失礼でごめんなさい。」と頼まれた。不謹慎かもしれないが、これほど血がたぎり気持ちが高ぶった依頼は初めてで、光栄な気持ちでいっぱいだった。

お通夜で、棺のなかで絵を抱え安らかに眠っている姿に触れ、絵も僕も本当に幸せ者だと気持ちを噛みしめた。寂しさと悲しさと嬉しさと誇らしさと、味わったことがない感情とともに、もっともっと絵を積み重ね、この道をどうどうと歩んでいきたいと強く思った。

僕には「最後の最後まで持っていたい絵」そんな絵を描かせてもらった大切な人がいる。これは、僕の自慢だ。

大塚ママへ
素敵な葬儀だったよ。涙も多かったけど、皆さん笑ってたよ。通夜の席では、飲み友達の皆さんと仲良くなり、今度飲みにいく約束をしたよ。本当にありがとう。また会う日まで、乾杯！！

20190815 / 21:56
ストーリースケッチ / 6人+お酒
絵のサイズ：148×210mm（A5）
ボールペン・鉛筆　画用紙
原画＋2種類の画像データ(形式：jpeg)

STORY WOOD FRAME
A5 / 148×210mm

HISTORY NUMBER
9498206/01-KUWABARA
A5/A-DRY-01-YUKA
20190110-039-033